研究会・WG

LCA日本フォーラム
CR2研究プロジェクト

「NETs研究プロジェクト」は、ネガティブエミッション技術(以下NETs、定義は下記参照)だけでなく、排出ガスから回収したCO2を有効利用する技術(Carbon Capture and Utilization, 以下CCU、またはカーボンンリサイクル)も検討対象に含めることとしたため、NETsとCCUを合わせた技術群をカーボンリムーバル&リサイクル技術(Carbon Removal and Recycle Technologies, 以下CR2)とし、「CR2研究プロジェクト」と改名いたしました。

NETsとは
Negative Emission Technologiesの略称です。

定義:いろいろな解釈がありますが、一例として「人為的に大気中からCO2を除去することを可能にする技術」

ネガティブエミッション技術 概要
炭素捕集貯留(CCS) 一般に化石資源に由来する発生したCO2を分離回収、貯留する技術。発電所、製鉄工場などのCO2排出が多い場所で採用されることが多い。厳密には、ネット・ネガティブとはならない
バイオエネルギー・二酸化炭素捕集貯留(BECCS) バイオマスエネルギーの燃焼により発生したCO2を捕集貯留する技術
直接炭素捕集(DAC) 大気中のCO2を直接捕集する技術。CCSとの組み合わせでネット・ネガティブとなる
土壌炭素貯留 有機物を土壌に貯蔵・管理する技術。CO2貯留量が、自然分解による土壌からのCO2放出量より多い場合に土壌炭素貯留となる
バイオ炭 有機物を熱分解により炭化しを土壌に埋設することにより炭素を固定する技術。土壌炭素隔離技術の一つ
風化促進 ケイ酸塩鉱物などの岩石を粉砕し表面積を大きくするなどして、風化を人工的に促進する技術。風化の過程でCO2を吸収
海洋肥沃 海洋に養分を散布することにより生物学的生産を促す技術。最終的に大気中からのCO2の吸収量の増加を見込む
植林・再生林 樹木によるCO2吸収を促進する技術

<背景>
IPCC1.5度報告書の達成シナリオには、植林やBECCSを用いた二酸化炭素除去が含まれています。

他国では、様々なNETsに関する報告書がまとめられています。

英国
王立協会がGreenhouse Gas Removal報告書にて、主に国内のNETs技術について報告(2018年)
欧州
欧州アカデミー科学諮問委員会(EASAC)がNETsの科学的知見をレビュー(2018年)
米国


全米科学アカデミーが国内におけるNETs技術報告書を発表(2018年、2019年)
ロッキーマウンテン研究所が国内におけるNETs技術報告書を発表(2018年)
Carnegie Climate Geoengineering Governance Initiative(C2G2)が大規模な二酸化炭素除去の実施について、政策者向けに7つの課題を指摘(2018年)
オランダ
オランダ環境評価庁が国内におけるNETs技術のポテンシャルとコストをまとめた報告書を発表(2018年)
アイルランド
アイルランド環境保護庁のプロジェクトが国内のNETsのポテンシャルをレビュー(2018年)
日本
ICEFがCO2の直接回収ロードマップを発表(2018年)
その他
NETsのポテンシャルやコストのレビュー論文

1. 目的

日本の将来のNETs戦略に貢献

  • 各技術の専門家による検討の場を設け各技術の俯瞰・課題だし
  • 産官学で構成されるLCA日本フォーラム会員からのフィードバック
  • NETsのLCAガイドライン策定
  • システム評価で日本でのNETs戦略の検討
  • 日本におけるNETsのベストミックスの提案

2. 活動内容

  • NETs検討会
     ―コアメンバーによる検討ユニット
     ―年に4回程度開催
  • 国内・国際シンポジウム開催

3. 活動状況

2018年11月 LCA日本フォーラム NETsセミナー
2019年1月 C2G2 Pasztor氏と意見交換
― 国際協調の場の構築について
2019年4月 NETs準備会合開催
― 活動目的・進め方について議論
2019年6月 JLCA総会にてNETsプロジェクト設置承認
2019年7月 第1回NETs会合開催
― 各ネガティブエミッション技術の整理
2019年10月 第2回NETs会合開催
― LCAガイドラインの策定①:バイオ炭
2019年12月 第3回NETs会合
2020年1月~3月 NETs環境影響評価算定ガイドライン策定準備
2020年4月 「NETs研究プロジェクト」からNETsとCCUを合わせた技術群をカーボンリムーバル&リサイクル技術(Carbon Removal and Recycle Technologies, 以下CR2)を対象とした「CR2技術研究プロジェクト」に改名
2020年6月 NETs国内シンポジウム開催
2020年12月 「CR2 技術の温室効果ガス排出量算定ガイドライン」公開
2021年10月~2022年2月 「CR2 技術のLCA算定WG」発足、算定実施
2022年3月 「CR2 技術のLCA算定WG」報告会開催
2022年6月~12月 「CR2 技術のLCA算定WG」算定実施
2023年3月 「CR2 技術のLCA算定WG」報告会開催
2023年9月~2024年1月 第7回~第9回 CR2技術研究プロジェクト 開催
2024年3月 CR2技術研究プロジェクト公開シンポジウム(第10回) 開催

4. お問い合わせ

JLCAのCR2研究プロジェクトへのご意見・ご質問は事務局までご連絡ください。
事務局
一般社団法人産業環境管理協会内
URL: https://lca-forum.org/
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