平成23年7月26日 LCA日本フォーラム事務局 社団法人産業環境管理協会
LIME2 (Life cycle Impact assessment Method based on Endpoint modeling 2)は日本の環境条件を反映しつつ、15種の影響領域と1000種の環境負荷物質を対象としてLCIA (Life Cycle Impact Assessment)を実施することができる環境影響評価手法LIMEの改訂版です。この改訂では、評価係数や評価対象範囲、係数リストの表示方法が変更されました。また、不確実性分析の実施が可能になるなど新しい情報が追加されています。平成22年12月にはLIME2の手法と係数リストを掲載したガイドブックが発行されました。
これを受けてLCA日本フォーラムでは、平成19年から20年、20年から21年の二回にわたり、LIME2の活用方法の技術指導および新機能の妥当性と有効性の検証、更なる活用方法の開発を目的に、「LIME2活用検討WG」を編成しました。 容器包装、衛生品、エネルギー、家電、事務機器、建材など、さまざまな製品を対象に分析を行い、エコデザイン実施の支援をしてきました。すでにLIMEを利用した公開例は300を超えますが、網羅的な観点から影響評価を行う必要性はますます増えています。 第三回目を迎えるLIME2作業部会では、地球温暖化のほか、土地利用、資源採掘、廃棄物といった生態系に対する影響を網羅した評価を行うことを目的とした企業の参加を募集します。また、ウォーターフットプリントに対する注目が高まる中、水の消費に対する影響評価の試行をしたい企業もあわせて募集します。
WGの委員長には、引き続きLIME2の開発者である東京都市大学環境情報学部 伊坪徳宏 准教授にご就任いただきます。実施者にとっては、開発者とともに検討を行うことでニーズを直接伝えることができるだけでなく、評価結果のレビューを受けることができます。これによって、得られた研究成果を早期に製品開発に利用したり、外部に公表することができます。 なお、本WGは先進的な企業による事例公開を通じて、評価手法を普及させることを目的としていますので、計算結果と前提条件に対しては原則公開することを前提にご参加いただけることをご了解いただきますようお願いします。
1. LIME2の利用方法の解説、指導
2. 生物多様性や水を対象とした影響評価の検討
3. 事例研究、結果の解釈と考察、クリティカルレビュー
4. 環境評価手法(環境会計、環境効率、ファクター、環境パフォーマンス評価等)への活用方法の検討
5. LIME2活用事例の公表(報告書等)
1. CFPやLCI、エコリーフを通じて得た経験をLCIAへと展開することで新たな知見を得ることができる。
2. 網羅的な視点に基づく環境経営・製品政策の実施を可能にする。
3. LCIA実施の人材養成(手法の習得)と実施事例の蓄積(事例集の充実)につながる。
4. 企業の環境評価、環境会計、環境効率などへの拡張ができる。
5. 専門家のレビューに基づく評価結果の公開を早期に行うことができる。
6. 成果をPRすることで、環境コミュニケーションの場において、
ライフサイクルの概念に基づく分かり易い判断基準(金銭換算で表示)を提供できる。
平成23年9月~平成24年3月
・WGへの参加企業は5~10社程度とします。
・2ヶ月に1回の頻度でWGを開催します。
・メンバーは、評価対象製品およびLIME2の活用方法(環境評価手法への適用など)を予め決定し、
第1回WG開催までにインベントリデータを予め収集していただきます。
・メンバーにはLIME2の計算を簡便に実施することができるLIME2係数リストを配布し利用方法を解説します。
・メンバーにはLIMEへの適用結果をWGに提供していただきます。WGにおいて解釈、
課題摘出等について検討し、レビュー結果を纏めます。
・活動結果を広報するために成果報告会を開催します。